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記憶の芋づる式

  • 執筆者の写真: Hiromi
    Hiromi
  • 5月15日
  • 読了時間: 7分

毎月15日は心、脳に関する記事です。今日の合言葉は【寝る前ストレッチ】

今回は特に「認知症と運動」についてまとめました。

ストレッチは、脳の血流を増加させ、脳疲労の軽減、集中力向上、リラックス効果、そして脳の老化防止(認知症予防)が期待できます。

下の「>」を押すと展開できます、ご覧ください。


認知症・精神疾患・脳血管障害予防

・「ストレッチ単独」で認知症や脳血管障害予防に効果を示すエビデンスは限定的で、有酸素運動(特に歩行)の方が、認知症予防としてのエビデンスは強い。


・一方、広義の運動にストレッチを含むと認知症や脳血管障害予防に重要な運動の1つ。運動単独よりは、社会交流や睡眠・心理的ストレス緩和・栄養改善と併せて行うことが有効と言われている。


・ストレッチは、認知症リスクの一つである「心理的ストレスの緩和」としてメリットあり。ストレス、不眠、自律神経関連症状、緊張型頭痛などには比較的有望なエビデンスがある。


・ストレッチが「心もやわらかくする」メカニズム:

  1. アルファ波(α波)

    心身が安静・リラックス状態で、かつ意識がはっきりしている(覚醒している)時に脳の後頭部を中心に発生する8~13Hzの周波数を持つ脳波。ストレス軽減や集中力向上、瞑想時によく見られ、深いリラクゼーション効果をもたらす脳波。ストレッチ中に出現するという報告あり。

  2. コルチゾール低下

    ストレスホルモンとして有名なのがコルチゾール。特に、ゆっくり、呼吸を伴う低〜中強度のストレッチでコルチゾール低下が見られやすい。

  3. 思考<身体感覚へ注意

    筋肉の伸び感、関節位置感覚、皮膚感覚、呼吸感覚など身体感覚への注意が増えることで、精神的落ち着きに繋がる可能性がある。

  4. 副交感神経優位(迷走神経)

    ゆっくりストレッチすると、呼吸が深くなり、心拍安定、リラックス、情動安定に関与する。

  5. 筋緊張と情動の連動

    人はストレスを感じているとき、無意識に首、肩、背中、あご、呼吸筋が緊張する。筋緊張をゆるめることで、脳へ「安全」という信号が送られ、情動に影響。(心理学・神経生理学)

  6. 入眠・睡眠の質改善

    就寝前の軽いストレッチは、入眠や睡眠の質を改善する研究結果あり。睡眠は、脳の老廃物除去、記憶整理、神経回復に重要であり、感情や記憶の処理にも影響。


以上がまとめです。


認知症の中にも複数の病態があり、原因もさまざまですが、運動種類としては、歩くこと(有酸素運動)、大切ですね。


一方、ストレッチも、睡眠の質を高めたり、精神的な緊張をゆるめる点で大切であり、【寝る前ストレッチ】を強調する回にしておきます★


さて、余談に移りますが、認知機能や脳の話が続きます。


●記憶との再会

先日、知人と8年ぶりに会ったときのこと。

自分が認識していない「記憶の引き出し」をみつけた体験をしました。


知人から、ある話の切れ端を聞いているうちに、「あぁ、そういえばあのときそうだった」「そしてこうなって..」と、そのときの光景や、ここ8年ほど全く浮かびもしなかった人の名前や顔など、芋づる式に出てきました。


その思い出したものや人、エピソードが面白いというよりは、身に覚えもなかったはずの記憶が、今、なぜ脳から次々に出てくる?!


本当に「芋づる式」の言葉の通り、芋づるを引っ張ったら、土からどんどん芋が出てきたときのようで、面白くて。


掘り出しものを発掘したときの爽快感のような感覚がとても面白く、多幸感を覚えました。


それが、20代のときには感じたことのない感覚なんです。


久しぶりの再会で話が次々に思い浮かぶのは20代でも何度もありましたが、思い返しても数年とか、大して"芋づる感"はなかった気がしています。


そこで、この話の本題なのですが、歳を重ねると、この「芋づる式に引っ張る感覚」が何度もできるはずですよね..


「わぁ✨この芋づる感をまだまだ感じられるなんて♪しかも、40年ものの芋を引っ張り出す感覚なんてどれほどの快感だろう♪楽しみすぎる♪」


40、50、60、70代、、と、歳を重ねるのがとても楽しみになったのです✨


そして残したい記憶はどうすれば残るのか、改めて調べると、やはり3/15の記事「扁桃体」につながる「感情のタグづけ」がKeyでした。そして、記憶と脳について好奇心がくすぐられ、下記も芋づる式に掘り出しました。ご興味ありましたら「>」を押して展開ください。


芋づる式の正体:符号化特定性原理

脳は情報を単体で保存するのではなく、当時の感情、風景、匂いなどとセットで「網目状のネットワーク」として保存している(符号化特定性原理)。


思い出すための「鍵(手がかり)」が、当時の状況と一致した時にだけ、記憶の引き出しが開く。知人との会話は、自分一人では辿り着けなかった「最強の検索クエリ(検索ワード)」となり、芋づる式にエピソードを引っ張り出した。


脳の仕組み: 脳の「海馬」がインデックスを貼り、「大脳皮質」という広大な倉庫からデータを瞬時に呼び戻す共同作業が行われている。

記憶は思い出すたびに編集される

記憶はビデオ録画のように保存されているのではなく、思い出すたびに「再構築」される。


偽記憶(False Memory): 人間は他者からの暗示やその時の気分によって、「実際には起こっていないこと」を事実として記憶してしまう性質がある。


記憶の変容: 思い出すたびに、今の自分の都合の良いように編集されてしまうため、長年経った記憶は「客観的な事実」よりも「その人の物語」に近いものになる。

記憶の引き出しを開けるときの注意点

無理に開けない

もし記憶を遡る中で、少しでも心がザワついたり、苦しい感覚を覚えたりしたときは、すぐにその引き出しを閉じて、今の呼吸に意識を戻す。大切なのは「今」心地よくいること。


●「正確さ」よりは「味わう」

偽記憶という脳の性質から、思い出した記憶は事実と異なる可能性もあるが、その時に感じた「懐かしさ」や「温かさ」など感情を味わってみる。


●相手の「思い出」も尊重

知人と過去を振り返る際、自分と相手で記憶のピースが合わなくても、お互いの記憶の世界を尊重し合うことで、「あなたにはそう見えていたんだね」と記憶の面白みが深まる。

多幸感の正体

なぜ思い出せなかった名前まで出てきたり、多幸感を感じたか。


感情を司る「扁桃体」が動くと、その横にある「海馬」が刺激され、記憶がより強固に刻まれる(情動記憶)。


再会の喜びという「ポジティブな感情」が脳を活性化させ、本来アクセス制限がかかっていた古いデータへのゲートウェイを開いた可能性。


懐かしさを感じる時、脳内では快楽物質であるドーパミンや、絆を感じるオキシトシンが分泌される。これは脳にとって非常に質の高い報酬。


過去の記憶を語ることが、高齢者の心理的安定や認知機能の維持に有効であるという心理療法(回想法)もある。

認知予備能

認知予備能(Cognitive Reserve):とは、脳が萎縮・損傷しても、脳がその変化に対抗し、認知機能の低下を抑える「脳の底力(貯金)」のことで、生涯を通じて増減し、鍛えることができる。


運動習慣や、社会参加、新しいことを学ぶなどにより、脳のネットワークを複雑にしておくと、多少脳にダメージを受けても症状が出にくい。


脳が萎縮していても、この能力が高ければ、日常生活に支障が出ないケースが多い。アルツハイマー病などの病変があっても認知症を発症せずに耐える力。


これから歳を重ねた場合、死ぬ直前には脳内に「自分だけの人生の物語」が構築されているのかと思うと壮大です。毎日の膨大な記憶を処理している脳に今日も、ありがとう、ですね。


訪問リハビリで、90代の認知症の方と好きな歌を一緒に歌う時間を設けていたのですが、それを行えたときは運動や歩行リハビリへの意欲も動作もスムーズになったのを思い出します。脳の「懐かしむ」って興味深いです。


音楽と運動や、二重課題(デュアルタスク)の運動療法、自然に触れるバイオフィリアも認知機能に関連があり、深掘りしたくなりますが、続きはまたの機会に。


皆様の記憶の端に、今日も凛の合言葉が残るよう「エピソード記憶」として余談を挟みました。それでは寝る前ストレッチ、今日も脳にありがとう♪↓

記事の続きは…

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